倍返しについて考える

池井戸潤原作ドラマ「半沢直樹」で「倍返し」という言葉が有名になりました。

ドラマは見ていないけど、本は読みました。

主人公の行動は痛快ですが、実際に身近にいたら「もうちょっとやり方あるんじゃないの?」とおもっちゃいますね。

そして、そんなこと考える人は半沢直樹になれません。(笑)

倍返しは恩返しの時はいいけれど、仕返しではなかなかに恐ろしいです。

倍ですからね。

算数の苦手な自分でもわかります。

この根底には自分が受けたマイナスよりも相手にマイナスを与えてやらないと気が済まないという心理が働いているのかなと思います。

倍返しが容認される社会では延々と悪循環が続きます。

日本の仇討ち制度のハードルが高かったのも頷けます。

パロディーだけど、筒井康隆の「ワイド仇討」みたいになります。

昔、社会の授業かなにかで「ハンムラビ法典」の「目には目を歯には歯を」習いました。

これはやられたらやり返せという教えだと習ったように記憶しています。

当時の先生、そんなこと教えていないということだったらごめんなさい。

でも、ある本でそれは違うとありました。

真の意味は「倍返しをさせないことにある」とのことです。

つまり、やられた分しかやり返してはいけない、感情のまま報復をエスカレートさせることを戒めているものだといいます。それを法典としてルールで戒めているわけです。

目から鱗でした。

それに、同じ分だけやり返すといっても、やられた側は感情的になっているとだいたいはやり過ぎます。(苦笑)

民族紛争にしても普段の人間関係にしてもこじれてしまうとそんなことありますね。

この報復合戦的倍返し思考の悪循環をどこかで断ち切ることが望ましいわけです。

そして、それはどこかのタイミングで「やり返さない」という選択ができるかにかかっています。

とはいえ、そんなことばかりいっていられないということも日常生活では多いとは思います。

少し頭にとめておきたいなあと思いました。

幸せや楽しさを倍返しできる人間になりたいものです。